ぼくの精神病院入院日記 1
4月の終わりごろから2か月半ほど、精神病院に入院してました。
入院理由は、ストレスによる心因性の過剰水分摂取による水中毒でした。
入院中に暇つぶしに書いた日記を、忘備録として載せます。
※以下出てくる人名は、当然ながらすべて仮名です。
4月某日
・目を開けたら、私は看護師さんにナポリうどんを食べさせられている。
そうだ。たしかタクシーで母に運ばれ病院の精神科に行き、着くや否やそのまま入院 したらしい。
病院に着いたときの記憶はかろうじてあるが(着いた途端、痙攣したのは覚えている)、それ以降の記憶がない。
「ここが病院で、おそらく私は入院したのだな」と察したので、そのままうどんを完食した。
・目が覚めた今日は、入院してから4日目らしい。たまに目を開けてすぐに眠ってたそうだが、記憶はない。
・右腕が点滴につながれている。意識が戻ってから強く思うのは、「俺はここで寝てるほど暇じゃない。早く帰らなければ…」という焦り。
さっさと点滴を外してこの部屋から出ていきたいのだが、体が動かない。なんとかベッドから起き上がりベッドの横に立つ。が、点滴でつながれているので歩けない。
するとナースが来て「まだベッドに寝ているように」と指示して横にさせられた。
しかし私はどうしてもここから出たかったので、今度はなんとかしてベッドの上に立った。
またナースが来て「危ないから横になってて」と横にさせられた。こんなやりとりを2度ほどした。
(今思うと、そこまでしても病室から出たかったのだなぁ…)
・「この部屋から出たい…そうだ、トイレなら外に出れるかも」と思い、というか若干うんこがしたかったので、ナースを呼んでトイレに連れて行ってもらうことにした。
まだ歩けないので車いすにのせてもらう。車いすにのって、初めて病室の外に出る。
トイレは病室の隣にあった。
便器に座ってきばったが、便は全く出ず、車いすで病室にまた戻った。
ナースさんに世話かけてしまって申しわけないーーというか、ナースさんに心の中で「チッ、面倒かけさせやがって」と舌打ちされたような気がした。
(今思うとそれはただの勘違いで、ナースさんは皆素晴らしい人たちでした。というか、これくらいのことは皆慣れていて当たり前だった)
・医者の先生によると、私がここに入院となったのは、水中毒での意識障害らしい。
私はここ最近、日々の不安を紛らわすために、水やお茶を1日7リットルくらい飲んでいて(当然吐く。吐きながら水を飲んでいた)、それで血中ナトリウム濃度が下がったとのことだ。
それだけでなく、ここに運ばれたとき、CK値(クレアチンキナーゼ。筋肉細胞の酵素)という値が通常200のところ、私は7000あって死にかけていたのだという。
「この病院では手に負えないので、御茶ノ水の専門病院に送った方がいいのではないか?」という意見が半数、「とりあえずこの病院で様子みましょう」が半数だったらしい。 後者の意見が通り、そのうち私が意識を取り戻し、死なないですんだようだった。
(のちに先生から、「こんな数値今までみたことないよ。普通はこうなると腎臓壊して、一生人工透析になるんだけどね」と言われた。一生人工透析とか怖いわ…)
おかげで意識を取り戻しても、1週間、点滴が続いた。
・意識が戻って何日間か、「おしっこしたい」とはまったく思わなかった。大をしたい、とも思わなかった。 パンツではなく、おむつをはいていた。
ナースさんが私に「おちんちんに管入ってるからね、だからおしっこしたくないでしょ」と言った。私は「そりゃ、ちんちんには尿管という管あるでしょ」と思って聞いていた。
それにしてもちんちんの先っぽが痛い。トイレ(大)に連れて行ってもらってびっくり。
ちんちんにカテーテルが入っていて、尿とり袋につながれていたのだ。
「ちんちんに管」ってこれか! 初めての入院で、驚くことばかりだ。
・あまりにもちんちんが痛いのでよくみたら、尿カテーテルを入れるために包皮がむかれていた(仮性なのです)。それには苦笑するしかなかった。
ぼくの精神病院入院日記 続きます