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文芸的な、あまりに文芸的な

人生にあるのは意味ではなく味わいだと私は思っている(谷川俊太郎)

短歌研究新人賞・最終選考通過、候補作受賞しました(友人が)。 その2

前記事の続き。  

短歌研究新人賞・最終選考通過、候補作受賞しました。友人が - 文芸的な、あまりに文芸的な

さて、私が見せてもらって特に好きだな、うまいなと思った歌は、

作業着に集まる無数の小豆たち どんなに美しかろうと死は死

まるで毒でも入っているかのようにコロネのチョコを除いて食べる

「10年後、私なにしてるんでしょう」桜餅の葉は水気を無くし

3Dプリンターから出た風が桶屋を儲けさせていた過去

だろうか。

1と3は、死をみつめながら、餡子を味わっているような感じ、「餡と死」という対比がいい。

2と4のコロネと3Dプリンターの歌は、雑誌に掲載された15首に入る。仕事中に動いている3Dプリンターを見て、「この風が桶屋を儲けさせていたのか」とふと思ったような「ふとした瞬間にする飛躍した発想」を歌っているように感じて面白い。

2のコロネの歌は穂村が「作者は、餡子がよきもので、対比としてチョコを毒としてとらえているのかな」と。

一方、選考委員から評価の高かった歌は

飛び降りるのかと思って見ていたがそれは飛び立ったような気がして

(遺影用トレースをする残業をする人が食べる)どら焼きふたつ

世界は終わるものではなく要らなくなるものだ そこらじゅうみんな餡精製所

だった。

餡というノスタルジーの中に死の匂いのする歌だ。

特に3の「そこらじゅうみんな餡精製所」は、「世界が<みんな餡精製所>になれば、世界からは差異がなくなり、そこに意味はなくなるのだ」というような選者の評があって、作者本人が「そこまで深く考えて作ったのではないというか、よくそこまで深読みして言葉にして批評してくれて驚いた」と舌を巻いていた。

選者の方々はさすがプロの歌人なだけあって、作者の手から離れた短歌を作品として「深読み」し、素人ではわからない(なんとなく感じるが言葉にならない)指摘をくれるものだと思った。

あと、今回の新人賞受賞を最終選考通過作以上をみてみると、たぶん6、7割くらいは30代以下の若い応募者だったと思う。あとは40代。新人賞を受賞したのも大学生(女子)と若かった。

現代短歌は本当に若い人の市場なんだなぁと思った次第。ツイッターとか投稿サイトとかあるから、入口は入りやすいのだな、と。

今回の友人の受賞に触発されて、私も短歌はじめてみるかなぁ…と半分以上本気で思ったりもした。

でもマンガ読んだり将棋指したり、やりたいことがたくさんあって決められないわ…と一人ごちる私だった。

 

 

あと最後に告知。次回の文学フリマ東京(11月の祝日)、前回5月と同じくサークル参加するかも。

ただ、文フリの学祭的なお祭り雰囲気は凄く楽しかったのだけど、また新しくいろいろ記事書いてミニコミ作るのははっきり言ってめんどい。忙しいし。

まぁ仮申し込みはしてあるので、お金振り込むかどうかはまた決めなければ。

鋭意的に同人誌作ってるひとのタフネスがうらやましい。同人制作が趣味な人は、他にマンガや本読んだりすることにどれだけ時間とエネルギー使ってるのだろうか?やはり一番、同人誌作りにエネルギー割いているのだろうか?

我々は本読む方が一番の趣味だから、記事書いたりいろいろとめんどいことは後回しになる…

趣味の場を広げるために、月1の読書倶楽部にも入会したし