文芸的な、あまりに文芸的な

人生にあるのは意味ではなく味わいだと私は思っている(谷川俊太郎)

ぼくの精神病院入院日記  その3

4月の終わりごろから2か月半ほど、精神病院に入院してました。 入院理由は、ストレスによる心因性の過剰水分摂取による水中毒でした。 入院中に暇つぶしに書いた日記を、忘備録として載せます。 ※以下出てくる人名は、当然ながらすべて仮名です。 ぼくの精…

若手歌人たち ~『桜前線開架宣言』山田航

山田航『桜前線開架宣言』という短歌アンソロジー本を読んだ。 桜前線開架宣言 作者: 山田航 出版社/メーカー: 左右社 発売日: 2015/12/24 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (6件) を見る 副題に「Born after 1970 現代短歌日本代表」…

みなもと太郎『マンガの歴史』 トキワ荘と劇画の時代

『風雲児たち』で有名なみなもと太郎、 歴史に詳しいだけでなく昭和の漫画史にも詳しいとのことで、 『マンガの歴史 1』という本 岩崎調べる学習新書 (1) マンガの歴史 1 作者: みなもと太郎 出版社/メーカー: 岩崎書店 発売日: 2017/08/19 メディア: 単行…

ぼくの精神病院入院日記  その2

4月の終わりごろから2か月半ほど、精神病院に入院してました。 入院理由は、ストレスによる心因性の過剰水分摂取による水中毒でした。 入院中に暇つぶしに書いた日記を、忘備録として載せます。 ※以下出てくる人名は、当然ながらすべて仮名です。 ぼくの精…

ぼくの精神病院入院日記 1

4月の終わりごろから2か月半ほど、精神病院に入院してました。 入院理由は、ストレスによる心因性の過剰水分摂取による水中毒でした。 入院中に暇つぶしに書いた日記を、忘備録として載せます。 ※以下出てくる人名は、当然ながらすべて仮名です。 4月某日…

夏目漱石『彼岸過迄』 ~近代的自意識に苦悩する男と、現実を生きる女

漱石は私の好きな作家だ。 漱石作品は基本的に新聞連載小説であるため、次の頁を早くめくりたくなるような話の展開なのがいい。漱石は、人間模様や会話もかなり上手い。 何より作品のテーマが「近代自意識という悩みと、それ以上に現実である女性関係」なの…

第二十五回文学フリマ東京・編集後記&レポ

文学系同人誌即売会・第二十五回文学フリマ東京(11/23)に、サークル『文化系女子になりたい』で出展参加しました。 23冊頒布して21人の方にお買い上げいただけました。 本誌に入りきらなかった漫画文学論、回文集、テレビ論などのおまけもそこそこ手に…

大傑作劇画・上村一夫『しなの川』。 再実写化するなら主役は誰?

とんでもない傑作漫画を読んだ。 どれくらい傑作なのかというと、私の「生涯で読んだ凄い漫画」ベスト2、3に食い込むのではないか、というレベルの傑作である。 自慢ではないが、私は32年の人生としては、結構な数のマンガを読んでいる(上には上がいるも…

田亀源五郎『弟の夫』を読む ~ゲイというマイノリティの物語に描かれる、<家族>という物語

田亀源五郎『弟の夫』全4巻。 ゲイエロ漫画界の巨匠が初めて一般誌で連載した、ゲイ男性と同居するホームドラマだ。 弟の夫 : 1 (アクションコミックス) 作者: 田亀源五郎 出版社/メーカー: 双葉社 発売日: 2015/06/12 メディア: Kindle版 この商品を含む…

【告知】文学フリマ東京(11/23 木・祝)参加します。サークル「文化系女子になりたい」(カ-25)

文学系同人誌即売会 第二十五回文学フリマ東京に出展参加します。 第二十五回文学フリマ東京 日時;11月23日(木祝) 11:00~17:00 会場;東京流通センター 第二展示場 (東京モノレール「流通センター駅」徒歩1分) 私たちのサークルは「文化系女子になり…

『エロ本黄金時代』にみる、伝説のエロ本ライター・奥出哲雄という男の栄光と転落

サブカル度数の高い傑作本を読んだ。 『エロ本黄金時代』(本橋 信宏,東良 美季)。 エロ本黄金時代 作者: 本橋信宏,東良美季 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2015/12/02 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (2件) を見る タイトル通り、「エロ…

極私的女優論:マンガ『私の少年』と、「私の妹」にしたい杉咲花

高野ひと深『私の少年』というマンガがある。 30歳独身恋人なしのOLが、ふとしたことから美形の少年に、夕方だけサッカーを教えることになることになり、そこから二人の交流が始まるマンガである。そこでは独身OLお姉さんと少年の、親子でもなく姉弟でもなく…

イベント「モテる大人のつくり方――アダルトビデオ監督・二村ヒトシに、女流官能小説家・深志美由紀が聞く!」レポ

「モテる大人のつくり方――アダルトビデオ監督・二村ヒトシに、女流官能小説家・深志美由紀が聞く!」という新宿でやったイベント(トークショー)にいってきました。メモしたことを公開。 二村といえば、恋愛指南本『すべてはモテるためである』(男向け)、…

こうの史代『この世界の片隅に』を読む ~戦時下という非日常でみつける<日常という奇跡>

こうの史代『この世界の片隅に』。 今アニメ映画が大ヒット中である。キネ旬の今年の邦画第1位にもなった。でも私はまだ映画は未見だ。年末年始で支出が多いから、映画代がないのだ(苦笑) この世界の片隅に 上 (アクションコミックス) 作者: こうの史代 …

オウム真理かるた

元オウム真理教のアレフが、教義を広めるためにかるたを作ったらしい。 たぶん堅苦しくて面白くないだろうから、私が、皆がもっと楽しむことのできるように「オウム真理かるた」を作ってみた。 あ ああいえば上祐い イニシエーション 修業するぞ 修業するぞ…

山内マリコ『ここは退屈迎えに来て』 ~地方で窒息するサブカル人と俺の上京

先月の読書会の交換本でもらって読んだ。「地方郊外のダルさ」を描いたファスト風土小説としてはてなでもかなり話題になったので、これは読みたいと思っていたのでうれしかった。 小説短編集・山内マリコ『ここは退屈迎えに来て』 ここは退屈迎えに来て 作者…

ふみふみこ『ぼくらのへんたい』を読む ~変態する思春期

ふみふみこ『ぼくらのへんたい』(全10巻)。 ぼくらのへんたい(1) (RYU COMICS) 作者: ふみふみこ 出版社/メーカー: 徳間書店(リュウ・コミックス) 発売日: 2014/03/07 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 世間から見れば「変態」にみら…

第二十三回文学フリマ東京レポ ひとり反省会

第二十三回文学フリマ東京から一週間ほどたつので、忘れないうちにサークル参加の反省点を 文フリ当日の、我々のブース 全体的な感想 作る 制作期間は2か月半ないくらいだったが、私の担当(漫画論4つとマンガ2つ)は、漫画論に手間取って、いつものごと…

第二十三回文学フリマ東京「文化系女子になりたい」編集後記

作成した文芸同人誌『文化系女子になりたい』、紙面が尽きてしまったので、編集後記だけブログ上で発表。おまけコンテンツ。 ~~~~~ まずは、今回文芸同人誌『文化系女子になりたい』を購入してくださった方、私たちのブースに寄って下さった方、そして…

告知 ※文学フリマ東京(11/23)出展します。サークル「文化系女子になりたい」キ-13

文学フリマ東京(11/23 水・祝)出展します。 サークルは「文化系女子になりたい」キ-13 評論サブカルチャーのブースコーナーです。詳しくはwebカタログで c.bunfree.net 配布するミニコミは「文化系女子になりたい」3・4号 1冊100円のコピー本です。 …

アニメ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』をみる ~死者に規定された生者たち

今回はアニメ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』、略称『あの花』。漫画ではなくてアニメだけど、漫画文学論でとりあげる。漫画版もあるしね。 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。 1 (ジャンプコミックス) 作者: 超平和バスターズ,泉光 出…

ほったゆみ(原作)『ヒカルの碁』を読む。 ~死者は現在する。生者のなかに

今回は、ほったゆみ(原作)・小畑健(漫画)の『ヒカルの碁』。 唐突だが、私が道徳的観点、というより「人生の指標になる」という観点から「小学生が絶対に読むべき少年漫画」をいくつかあげるとしたら、「他者と内発的につながることーーそれが結果につな…

映画の興行収入と利益についての忘備録 吉田正樹「メディアのリアル」

吉田正樹「メディアのリアル」という対談本に、映画プロデューサ-の小滝祥平(映画『ホワイトアウト』のプロデューサー)との対談で、 メディアのリアル 作者: 吉田正樹 出版社/メーカー: プレジデント社 発売日: 2015/05/26 メディア: Kindle版 この商品を…

プロレス雑誌「KAMINOGE」(かみのげ)vol.57 /ブル中野座談会が面白い

先日書店で、プロレス雑誌「KAMINOGE」(かみのげ)vol.57 を立ち読みしたのだが、滅茶苦茶面白かった。思わず一時間以上立ち読みしてしまった(だったら買えよなのだが、そこまで金ないのだ…)。 あまりにも面白かったので、忘備録もかねて、覚えている範囲…

短歌研究新人賞・最終選考通過、候補作受賞しました(友人が)。 その2

前記事の続き。 短歌研究新人賞・最終選考通過、候補作受賞しました。友人が - 文芸的な、あまりに文芸的な さて、私が見せてもらって特に好きだな、うまいなと思った歌は、 作業着に集まる無数の小豆たち どんなに美しかろうと死は死 まるで毒でも入ってい…

短歌研究新人賞・最終選考通過、候補作受賞しました。友人が

私の友人が短歌雑誌「短歌研究」の新人賞で候補作を受賞した。新人賞(1名)、次作に次ぐ銅メダルで、応募500人のうちの8人くらいに残り、雑誌で選考歌人に1P半の選評が載せられた。これは快挙だ。 短歌研究新人賞候補作。ありがたいことです。誰一人…

夏目三久アナと有吉熱愛、そして私の大学時代

「怒り新党」で共演していた夏目三久アナと有吉の熱愛報道が出た。 夏目三久アナと有吉熱愛!すでに妊娠 番組きっかけ - 結婚・熱愛 : 日刊スポーツ 私がそのとき思ったのは「結局有吉かよ」であり、「あれから何年たったのか」であり、「でも大江アナがどっ…

浅野いにお『おやすみプンプン』を読む ~浅野いにおと、ポストモダンという憂鬱

友人から借りて読んだ浅野いにお『おやすみプンプン』。浅野いにおといえば「オサレサブカル漫画」の第一人者として若者に人気、一方で「サブカル臭いだけの薄っぺらい雰囲気漫画」として、いにお読者も「サブカル気取りのダサイ奴」扱いされてやり玉にあげ…

手塚治虫『地球を呑む』

手塚治虫『地球を呑む』の手頃な感想がweb上にないようなので書く。そこそこ分厚いハードカバーが、ブコフで百円だったので読んだ。 手塚の初の大人向け長編らしく、手塚は気合を入れて描いたのだろうか、話もエロい。『地球を呑む』の連載開始は68年、『…

紡木たく『ホットロード』を読む ~恋愛という”痛み”ーー彼女が歩む道の先にあるのは

今回は、私は男なのであまり読んだことのないジャンル、少女マンガからのご紹介、紡木たく『ホットロード』。 1986年から王道少女漫画雑誌『別冊マーガレット(別マ)』に連載され、コミックは(わずか全4巻ながら)700万部売り上げた作品。(たしか、当時…